「京成・都営・京急相互直通50周年トリプルセット」を買いに行ったぜ
2010年代、そして平成が共にが終わりを迎えようとしていた2019年の春先。とんでもない内容の事業者限定品が発売されるとの報が舞い込んできた。
京成電鉄・東京都交通局・京浜急行電鉄が共同で発売する「京成・都営・京急相互直通50周年トリプルセット」だ。
その内容を見て俺は心底驚いたぜ。京成3050形に都営5300形、そして京急1500形のセットと来たもんだ。
しかも発売個数は3000個!これはすぐに蒸発するに違いない。しかもこういったスペシャルセット系は中古市場に出回るとおよそプラレールとは思えない値段が付くものだ。
「この機を逃すな!購入資金全額投入!」(7,000円だぜ)
発売日である3月29日の朝、俺は京急鮫洲駅に降り立った。発売箇所は複数あるが、おとどけいきゅうの店舗がある鮫洲なら搬入数も多いはず。多少なりとも遅れて到着しても買えるだろうという算段だ。
改札を出て店の方に向かうと、既に列が作られていた。並ぶぜ並ぶぜ。最後尾に向かう途中で知人が既に並んでいるのを見かけた。「あ、やっぱり買いに来たんだ」と言われたぜ。あたり前田のクラッカーよ。
おひとりさま2個までの発売だ(こういうのは業界用語で2限と言うぞ)
ちなみに並んでいる人は親子連れが7割といった感じだった。こんな極悪なセットを子供にせがまれて買いに来ているのだろうか、あるいは親の趣味か。
11時に開店すると同時に列がぐんぐん進む。みな買うものは同じだから捌けが早いようだ。
告知ポスターとも言えない微妙な掲示があった。
開店から15分ほどして無事購入だ。2月2日に発売された「京急1500形 京急120年の歩み号」も同時購入したぜ。セットの1500形が通常塗装だから、コイツから1両抜いて120周年の歩み号に挟めば1521編成がフルで再現できるってワケよ。
ちなみに120周年の歩み号はトリプルセット発売前の3月8日に運行を終了していたそうだ。実車とのコラボ写真を撮るのは叶わなかったな。ちょっと悔しいぜ。
店舗内には入り口横にこうやって積まれて陳列されていた。何カートン搬入したのだろう?
帰宅後に早速開封して並べてみたぜ。相互直通の記念セットというだけあり、それぞれの行き先が直通先の終点になっているのがポイントだ。
京成は都営浅草線の西馬込行き、都営は京急の羽田空港行き、京急は京成の成田空港行きとなっている。事業者限定品だからこそできる技だが、直通先の行き先を表示しているというのがプラレールらしくない。なかなか新鮮だな!
モデルの編成はそれぞれ3056編成、5305編成、1725編成だ。
3050形は2010年に京成電鉄限定品で発売されて以来、9年ぶりの登場となった。発売当時の2010年はまだ新動力の時代。そのまま再発売という形になったので本セットでは唯一の新動力だ。
載せ替えシャーシに非対応である旨の注意書きが印刷されている。
セット一番の目玉はなんと言っても都営5300形だな。ちょうど浅草線に新型の5500形のデビューしたばかりだった事もあって、今更旧型車を製品化するとは思っていなかったので衝撃的だったぜ。
見よ!この美しい造型を!ライトが窪んだ表現になっているのが泣かせるな。しかも黄色く塗られていてリアルな造型とプラレールのおもちゃ感を上手く両立している。さすがだぜ、東京都交通局...
この後、5月19日に京急1500形が、5月21日に都営5300形の単品がそれぞれ発売されている。ちゃんとバラで売ってくれるのがありがたいよな。
あれから3年半が経ち、実車の動向も、プラレールを取り巻く環境もかなり変わってしまった。
京成3050形は2019年にデビューした3100形に合わせる形で、特徴的だったスカイブルーの帯がオレンジに変更された。また、一部が追い出されて成田スカイアクセス線から本線に転属し、3000形に紛れてしまっている。プラレールでの青い姿はもう見る事ができなくなった。
都営5300形は5500形に置き換えられ、2022年9月末時点で5320編成の1本だけが残っている。製品化されたいわゆるミニスカの編成は既に消滅、残り1本もそう長くはないだろう。
京急1500形も、新型車へ置き換えられることが2022年5月に報道されている。
何より驚くのは3編成7,000円という価格設定だ。そもそも、2019年時点でも事業者限定品であることを加味しても7,000円は割高だった。例えば2007年3月に発売された「中央線スペシャルセット」が5230円だった事を思うと納得だろう。
世界情勢もあり、この3年で更に値上がりしてしまったプラレール。最近発売された「400系つばさ&E4系Max連結セット」は2編成で6,600円ときたものだ。
なるべく早くこのような状況が収まることを期待したい。こんな締め方になるとは思わなかったな。
こんどは何を書こうかな〜。