こんにちは。最近、2003年に放送されたニチアサアニメの「明日のナージャ」全50話を観て号泣してた館長です。皆さんもぜひ観てください。
さて、2025年2月26日時点で収蔵点数が2200点以上を数えるプラレール資料館ですが、まだまだ完全網羅には程遠いです。
セット品では「ふくせんプラレールステーションニューセット」「D-51きゅうこうれっしゃセット」「小田急ロマンスカーセット」「長野新幹線セット」、車両単品では電車箱の「C-62きてきいり」「スカイライナー」、6代目箱で屋根未塗装版の「東海型急行電車」「おどり子号」、「ラジオコントロール ぼくはうんてんしゅ 地下鉄電車」などなど、資料館自らの捜索や集合知をもってしても収蔵に至らないものが多くあります。
その中でも収蔵難易度がトップクラスのものが長らく残っていました。幻のセットと言われる東北上越新幹線・リレー号セットです。今回、先般庭に現物が生えていたという某氏の協力を得て特集を組むことにしました。
箱と収納容器がかなり損傷した状態で庭に生えていたそうですが、某氏懸命の努力によりなんとか往年の姿を取り戻したそうです。
プラレーラーのバイブル「プラレールのすべて」の年表にも記載されておらず、ほんの16年前までネットにもその姿を見せていなかった、正に幻のセットです。
発売時期はおそらく1983年頃。当時のカタログにも記載されていないため「プラすべ」の年表にも記載されなかったものだと思われますが、1984年のセールスマニュアルの価格表には
定価5,800円でセット品リストに入っています。新製品扱いはされていないため、やはり1983年頃の発売と見ていいでしょう。
東北・上越新幹線は1982年6月の開業から1985年3月にかけて、大宮〜盛岡・新潟間の暫定開業となっていました。1985年3月14日に上野〜大宮間が開業するまでは同区間に「新幹線リレー号」が走っており、大宮で乗り換えることで都心部への利便性を図っていました。このセットはその「大宮での連絡」を主題にしたものになります。
資料館を読み込んでいる方ならもうお分かりかと思いますが、セット内容としては1979年発売の「複線自動ステーションセット」に近いです。(
セット品・旧動力時代中期を参照)
同セットでは複線をそれぞれ「ひかり号」と「L特急」が走るものでしたが、こちらのセットではY字レールで駅を挟むことで単線を2列車が走行する内容に変更されています。
セット内容。80年代のセット品でよく見られた「ブロックトンネル」と、鉄橋を平面に置くための「土台」が入っているのがポイント。Y字レールを使ってレイアウトを組むため、予備を含めて「ジョイントパーツ」(通称マメ)が2個付属します。
箱側面のレイアウト写真。「複線自動ステーションセット」と同様、在来線の電車は2両編成です。長い編成長を持つ新幹線との差を意識したのかは定かではありませんが、こう考えるとしっくり来る対比になっている気がします。
側面全体。製造年度はN-32、1983年3月〜1984年2月のものなので、推測通りのようです。
「Y字レール」は1976年まで発売されていたレールですが、このセットにて約7年ぶりに復活。最終生産期と同仕様のレール面ザラザラ・ガイド付きタイプです。このセットを最後に姿を消しました。
レイアウトを組んだ様子。同じ線路を200系と185系が走るのはなんとも不思議ですが、そこはプラレールです。
特筆すべきは収録されている行き先の内容。東北・上越新幹線の「大宮」「仙台」「盛岡」「長岡」「新潟」が収録されており、延伸を控えた「上野」までもが入っています。箱写真をよく見ると「青森」が表示されているものが使われていますが、これは「複線自動ステーション」のものをそのまま使って撮影しているためです。既存のものから東北の駅名を選んで撮影したのでしょう。
東北新幹線が八戸延伸を経て新青森まで伸びるのは、発売27年後となる2010年の話です。
プラレールの「東北・上越新幹線」と言えばライト付きで知られますが、このセットに入っているものはライト無しバージョン。ライト無しのものは他に「入門セット 東北上越新幹線」(動力付き)と「プラレールごっこシリーズ」(動力無し)でしか存在せず、3両編成のライト無しはこのセットが唯一のものになります。
セット内容を使ってジオラマ撮影。上野〜大宮しか走らないリレー号と、ほぼ全線が高架複線の東北・上越新幹線はこんな景色のある区間はありませんが、そこもプラレールです。
ちなみにオレンジ色の「土台」は他にメロディーD-51セットとファミリーりょこう サロンカーセットにしか入っていない、希少な情景部品です。
2025年現在の現行品「J-03 小さな鉄橋」でも使えるはずなので、再販してほしいパーツの一つですが、タカラトミーさんいかがでしょう?
駅での並びの様子。先の「複線自動ステーションセット」もそうですが、発売当時は不思議な光景だった在来線と新幹線の同一ホーム発着は後に現実のものとなり、九州新幹線部分開業時の新八代駅(2004〜2011年)、西九州新幹線の武雄温泉駅、そして上越新幹線の新潟駅でも駅の高架化に合わせて対面乗り換えが実現しています。
200系と185系の同一ホーム上での並びはついに実現しませんでしたが、未来の上越新幹線の姿を先取りしたセットとも捉えることができますね。
ちなみに、このセットのステーションは「複線自動ステーション」のものをそのまま再生産したわけではなく、同セットでは露出していたストップ機構のシャフト部分を隠す出っ張りが追加されています。左は黄色いストップパーツのシャフト、右は内部のベルを鳴らすために車輪を空回りさせておくギアのシャフトです。
発売から約40年が経ち、「プラレール冬の時代の産物」と言われたリレー号も、リアルクラスシリーズで正規の185系で発売されました。製品が充実している0系に対して、未だに塗り替え品しか存在しない200系も新規金型での発売を望みたいところですね。
このような貴重な品の掲載に協力して頂いた某氏に感謝いたします。ありがとうございました。
ちなみにその某K氏は当セットを
動画にもまとめていますので、合わせてご覧くださいませ。