鉄道風景を作り上げるのに欠かせないのが駅です。シリーズ開始当初から時代を反映した駅が数多く発売されています。
ホーム端に階段のある中小駅タイプのもの、自動発車やライト点灯、切符遊びなどのギミックを盛り込んだもの、貨物駅、のどかな雰囲気の田舎の駅、カーブ上にある駅、高架線にある駅...などなど、多種多様な展開がされています。
このページでは単品・セット品問わず「駅」を紹介していきます。
単品
最もスタンダードな「えき」ファミリー。初期の製品には水色ホームと黄色ホームがあり、松の木が付属していました。初期製品は組み立て式でコンパクトですが、部品がもろく破損しやすいです。
後年改良が加えられ、売店が追加されました。長らくプラレールの定番品として君臨し続けていましたが、1986年に「こうか駅」が発売され、1987年に新動力時代を迎えるとセット品に入る駅は全て「こうか駅」が採用されるようになり、「えき」の最後の姿であった「えき・ホーム」は絶版となってしまいました。
「プラスチックレールセット部品」と印刷されているものがプラレールブランド登場前の一番最初の製品です。
複線システムが登場した1969年に「ふくせんプラレールステーションセット」で初登場。後に単品でも発売され、1974年頃に絶版となりました。
上下線とホームの下にストッパー付きのパネルが設置されており、車両が停車すると動輪がローラーを回してベルを鳴らします。そして逆方向から来た列車がストッパーを押しながら入線すると停車中の列車が発車し、入ってきた方は停車するという動きを繰り返します。
車両が2編成ないと動作が成立しませんが、1編成でも遊べるよう、手動で発車させるためにホーム上にボタンが付いています。
小物類として売店と発車標、信号機、サラリーマンが付属しています。最初期の製品はホーム上を人形が動くギミックがあったと考えられていますが、CMで確認されているだけなのでもしかすると試作品だけのギミックかもしれません。
カラーバリエーションが3色あり、最初期の製品は白いホームにクリアレッドの屋根、中期の製品は緑のホームに赤い屋根、後期の製品が黄色いホームに赤い屋根という組み合わせになっています。単品は緑のものしか存在しません。
単品は数が少なく、ここに掲載しているものも大変珍しいです。
1973年に発売された「DD51ディーゼルきかんしゃセット」に含まれていたものを、同年に単品発売した「積荷おろしかもつ駅」。1年程度の生産で絶版となったので未開封品はかなり珍しいです。
対をなす「積みこみかもつ駅」共々貨車が付属してくるのでちょっとお得な印象があります。タグのSTマークがステッカー貼りなので、1973年の前半に生産された個体だと思われます。
1975年発売。地上に置く「地下鉄」の駅。前後の駅名が「ぎんざ」「しんばし」となっているのでおそらく銀座線や浅草線がイメージかと思われます。
「大トンネル」の側壁を流用した情景ですが、ベンチと階段を設けるだけで駅に早変わりするのが面白いですね。
製造時期によってファザード部のレンガ調ステッカーの地色に濃淡があります。
通常品の他、福岡地下鉄仕様(詳細不明)と中国国内品の「上海駅」がバリエーションとして存在しています。日本国内版は1983〜84年頃に絶版となりました。
[2022年3月7日 追記]
「上海駅」を収蔵しました。真っ赤な側壁に白いホーム、青いファザードの組み合わせが中国っぽいです。駅長室の表記が「站長室」になっているなどの芸の細かさ。
上海駅は単品が駅名等のステッカーが貼り付け済みで、セット品は自分で貼る方式です。この個体はステッカーが単品とは違う組み合わせなので、セット品だと思われます。
1977年から81年まで発売されていたギミック系の駅。管で繋がれた笛を吹くと空気圧縮でストッパーが外れて車両が発車するものです。中古で一式揃ってると買うのを躊躇うとみな口を揃えて言います。
ビニールプールに空気を入れるやつの小さい版(ベローズといいます)みたいなモノが付属しており、笛を吹かずとも操作する事もできます。
1977年に発売されたセット品「ふえふきはっしゃセット」のメイン情景でもあります。セット品と単品で特に違いはありませんが、ホーム側のチューブ差し込み口の成型色が、セット品では白、単品では黄色となっています。
1980年発売のギミック系の駅。単三電池2本で内部の豆電球を点灯させ、夜の駅の雰囲気を出す素晴らしい情景部品です。列車接近灯が再現されているのが高評価。今でも同じコンセプトの駅を出せば売れると思うんですけどね。
1983年に絶版。
ブログで詳しく
紹介しています。
2021年2月4日発売。島式・対向式ホームが作れるフレキシブルな駅です。もちろんたくさん繋げて長いホームにすることも可能です。
ホーム上屋が最近の新駅のようなアーチ形になっているのが特徴です。
2023年12月27日に発売された「季節のカラーレールキット 〜雪と鉄道〜」にて初めてカラーバリエーションが登場しました。雪国をイメージしたグレーのホームに白い屋根という組み合わせで、なかなかカッコいいです。
1998年7月発売。現行の「J-28 プラキッズ駅セット」の前身にあたる駅です。リアルな配色に加え、ゴミ箱、番線表示、水飲み場などが再現され、実際の駅にぐんと近くなりました。
2001年発売の「いろいろ作ろう!レールいっぱいセット」には、ホームを茶色、屋根を青色としたカラーバリエーション品が含まれていました。このカラーバリエーションのものはトミーロゴ変更直後に発売されたため金型改修が間に合わず、結果として刻印されたトミーロゴに新旧がある前後期品が見られます。
2003年に「複線踏切」と入れ替わる形で絶版になりました。
1993年に発売された「人形あそび キップあそび駅セット」の駅を1994年に単品化したもの。「J-19 ふくせん踏切」(初代・1987〜1990年)の絶版後、約4年間欠番となっていたJ-19を埋める形で発売されました。
「駅」とは言うもののメインとなる情景はズバリ改札口となっており、中央にスケールを考えるとかなりドデカい自動改札機が鎮座しています。改札機の両側にベルトコンベアーが仕込まれ、人形を置いてストップレール横のダイヤルを回すと人形が改札を通過する遊びもできるという、改札遊びに徹底したなかなか考えられた情景部品です。
自動改札機の急速な普及を受けて製品化されたものですが、普及が進むにつれてわざわざ改札だけを主軸に置いた駅のウケが悪くなってしまったと思われ、1997年に絶版となりました。短命情景です。
1985年に「レール・ロード踏切」と同時に発売された、ちょっと都会風味の駅。商品名通り、ホームの下に「ブロックビル」を3つ重ねると高架駅になります。
発売以後は昔の「えき」のようなスタンダードな駅となり、ブロックビルが絶版となった後も多くのバリエーションが出ています。
1988年以降はJ-22が付番されました。前述の通りセット品に含まれる形で多くのバリエーションが存在しますが、この単品は1993年に絶版となっています。
1972年に発売され、2021年に絶版となるまで非常に長く生産され続けていた情景の一つ。
当初はオレンジ色のホームで発売され、70年代前半に黄緑のホームになり、70年代半ばから2003年まで当初のオレンジ成型に戻りました。2003年から絶版になるまでは濃い緑色のホームで生産されていました。
タブレットキャッチャーとタブレットが付いていましたが、タブレット閉塞を使う路線が減った事を反映し(というよりは製造物責任法の施行の関係で)、1995年以降は並木2本が生えた状態に変更されています。また、これと同時に他の製品でも見られる、遊び方を記載した「台紙」が封入されるようになりました。
2023年3月23日に発売された情景部品。「マイタウンキット」に含まれていた駅の色変え品です。発売に伴い2021年発売の「J-23 トミカが発車!プラレールのお店」は短命情景に終わりました。
白いビル本体に青いパネルのセット品とは異なり、グレーのビル本体に黒いパネルとなり、都会の駅のような雰囲気が出ています。
プラレールの建物系情景はあまり長続きしませんが、駅と組み合わされたこちらは発展性があるので長く続くことを期待しています。
1975年に発売された、今なお高い人気を誇る「こうげんのえき」。名前の通り、高原にありそうな三角屋根が素敵な雰囲気の駅です。1992年に絶版となりました。
窓が開口している前期型、窓が塞がれステッカーが貼られている後期型があります。前期品と後期品では屋根の成型色が若干異なり、前期品の方が少し薄いです。
屋根にベルが仕込まれており、ハンドルを回すとチリンチリンと良い音色を鳴らします。
1988年以降はJ-24が付番されていました。
1997年に絶版となった「J-26 パネルステーション(新幹線の駅)」の後継。1996年に絶版となっていた「J-24 アクションエアポート」の欠番分を埋める形で1998年に発売されました。配色が変わり、従来のパネルステーションよりもシュッとした印象があります。
ステーションを名乗るわりにはホームが無く、発売時で既に登場から12年が経っていたことで以降に発売された新製品と比較すると見劣りする感が否めず。そして2000年頃から始まった製品のリアル化志向の波にも乗る事ができず、2001年に絶版となりました。この後「クリアドーム(まるがた)」の発売までJ-24は5年ほど欠番になります。
これは何に分類したらいいのか。「おおきなドームステーション」の拡張品なのでとりあえず駅に分類しておきます。2006年12月28日発売。
2001年以降欠番となっていたJ-24を埋める形で発売されましたが、地上に直置きするか、「しかくがた」の最上段にしか使えないという地味な不便さが仇となり、2009年に「J-24 車両基地」に置き換えられて絶版となりました。
70 パネルステーション(都会の駅) / J-25 パネルステーション(都会の駅)
1986年7月中旬に「パネルステーション(新幹線の駅)」と同時に発売された、最も初期のパネルステーションシリーズ。「新幹線の駅」が二段構造なのに対し、「都会の駅」は一段となっているので箱の厚みはかなり薄め。
旧動力時代末期に発売された製品ですが、EC箱フォーマットを継承せずに1987年以降に本採用となる黄色と白色の配色が初めて採用されました。箱写真には1987年に絶版となった、いわゆる「田窓」の旧動力でメッキ仕上げの「EC21 通勤電車」が絶版まで使われていました。
発売当初は再び商品付番を始めようとしていたらしく、「都会の駅」には70、「新幹線の駅」には71が付けられていましたが、他の既存品に波及することはなく、1988年から始まったJ付番ではそれぞれにJ-25・J-26が割り当てられ、この謎の付番は2年弱で無くなっています。
1990年に絶版となりました。
クリアドームの四角い方。「まるがた」と同時発売です。
「R-25 地下直線レール」と互換性があるためか「まるがた」よりも長生きし、2012年に「プラキッズ橋上駅」に置き換えられて絶版となりました。
2010年11月発売の「いっしょにひろげよう!トミカとプラレールのニュータウンセット」の橋上駅を、カラーリングを変えて2012年8月に単品発売したもの。
今までロクな独立した駅舎が無かった(ホーム一体型なら「ライト付えき」「こうげんの駅」「切符ごっこ駅」などがありましたが)プラレールですが、これでかなりリアルな情景を持つレイアウトを作ることができるようになりました。
「J-28 駅セット」と互換性があるため、橋上駅舎のある長い島式ホームを再現することもできます。
当初の箱写真に使われていた車両「S-45 287系特急電車(連結仕様)」が2017年に絶版となったことに伴い、2022年現在は「S-57 683系特急サンダーバード」が写ったものに更新されています。
[2022年9月16日 追記]
2022年9月15日の「J-25 お客さんをのせて出発!のりのり駅」発売に伴い、絶版となりました。なかなかリアルな情景部品だっただけに、なんだかチープさが拭えない新製品で置き換えられてしまったのが少し残念です。
「プラキッズ橋上駅」を置き換える形で2022年9月15日に発売された駅。
2021年に発売された「人気のあそびがギュッ!プラレールベストセレクションセット」に入っていた「プラレール駅」を単品化したものです。
セット品では黄色だったストッパーとスイッチが、こちらでは赤色に成型されています。狭いホームと高い屋根が都心の高架駅っぽくて好印象ですが、橋上駅と比べるとやはりチープ感が漂ってしまいます。
箱写真にはスピードジェットが使われており、実在の車両で遊ぶというよりはプラレール鉄道の世界観向けの情景部品と言えます。ホームの有効長が直線1本分にも満たないのが少し残念です。
上記「都会の駅」と同時に発売され、1997年に絶版となった二段バージョンのパネルステーション。「都会の駅」が一段入りで700円だったのに対し、こちらは二段入りで1,000円だったので結構お得でした。
そのせいもあってか、「都会の駅」が絶版となってからも7年ほど生き残ってます。
絶版翌年の1998年に成型色を変えた後継品「J-24 ステーションビル」が発売されましたが、ラインナップの再編に合わせる形で2001年に絶版となっています。
2014〜17年の間だけラインナップにあった単品情景。「J-13 都会の駅」と同一の設計思想を持ちます。「PLARAIL PART」のステッカーが貼られているのは海外で発売されていた個体であるためです。
2017年7月に発売された「今日からぼくが駅長さん!ガチャッと!アクションステーション」の一部を同年12月に単品として発売した情景部品。単品化に際し型を変えています。「ガチャステ」では黄色かったパーツは赤色成型となりました。
プラレールにおけるホームドアのある駅は「未来特急のぞみ号」(1994年7月)と「超デカ500系のぞみ号」(1998年7月)以来となり、単品情景では初めての例となります。ホームドアとストップ機能のある「L」と、通過型でホームドアのない「R」で2つセットとなっており、3両編成が丸々停まる長さを持っています。
おしゃべりステーション / J-27 おしゃべりステーション
1987年7月に発売されたプラレール初のサウンド情景。翌年発売の「J-28 切符ごっこ駅」と同じく、パネルステーションと互換性のある情景です。副題として「駅長アナウンス」がついています。単三電池1本使用。駅舎の出っ張った部分に電池を入れるので、屋根が電池蓋を兼ねるという結構なアイデアデザインです。
駅舎の中にミニレコードが入っており、ボタンを押すと針が降りてボタンに対応した音声が流れ、別のボタンを押すとストッパーが外れてバネによって針が元の位置に戻り再生をする...という構造になっています。
発売当初はJ付番が付いていなかったため、1年間のみ2代目箱で付番なしという箱で発売されていました。翌1988年にJ-27が付番されています。付番の無い箱はかなり珍しいです。1995年に絶版となり、翌1996年に「J-31 アナウンスステーション」としてリニューアル発売されています。
1988年に発売され、1998年頃に絶版となった情景。コインとオレンジカードが付属し、その名の通り切符を買うごっこ遊びが出来ます。パネルステーションの仲間です。
2001年8月9日発売の「街の駅」の後継品。現行品ですが、初期の製品の箱は当時のセット品と同じデザインが採用されており、珍しいものとなっています。
現行品の箱写真には山手線E231系500番台が使われていますが、最近絶版になりました。こういう場合って写真も変わるのでしょうか?
1989年から1998年まで発売されていた駅。
名前の通り、列車が停まりホーム上の広告が変わるとと自動的に発車する仕組みの駅です。
本体に突起が付いており、人形あそびに対応しています。
「J-27 おしゃべりステーション」のリニューアル品として1996年9月に発売されたもの。
ミニレコードが電子基盤に置き換わり、単三電池2本使用に変更。電池ボックスは駅舎の内側に移設され、裏側から入れる方式になりました。それに伴い蓋はネジ留め式になっています。
元が古い情景だったためか、あまり長くは売られることなく1998年に絶版。
1990年に発売された大型情景。なのですが、なんと付番が付いています。単発商品ではなく通常品になります。
3両編成が丸々停車できる直線2本分の地上ホームが2本とパネルステーションを使った高架ホームが1本ある、3面3線のその名の通りビッグなステーションです。
現在に至るまで多く発売されている大型情景の先駆けであり、コントロールパネルにある向かって左のレバーで信号機の操作、右のレバーでポイントの操作ができ、車両の停車・発車はその隣のボタンで操作します。横長のボタンは発車ベル用。
定価はなんと8,800円!!!2023年現在から見ても相当高価です。バブル時代だったからこそ出来たみたいな情景部品ですが、弾けた後はやはり売れ行きが下がってしまったのか、1996年に絶版になりました。
東京駅丸の内駅舎
2024年9月28日に発売された、今までの情景部品とは変わった箱で登場した情景部品。「PLARAIL」のロゴがリアルクラスと同じものになっており、商品番号もないので別枠として発売されたものだと分かります。2024年は東海道新幹線開業60周年のアニバーサリーイヤーなので、その一環として発売したと見ていいでしょう。
モノ自体は2014年10月に発売された「ライト付0系新幹線と東京駅セット」の東京駅と同じですが、付属のシールがマット質となり少し高級感がUP。セットではプラレールショップのシールが含まれていましたが、単品では東京駅の駅名標に変わっています。