「タンコロ」という単語をご存知だろうか。「単行の電車」を指す語である。江ノ電で「タンコロまつり」というイベントが開催されているように、一般的には江ノ電100形の愛称として知られている。
しかし、ごく一部のプラレーラーにとっては意味合いが異なる。タンコロ、それは1999年7月に計画が立案され、2001年に三重電池鉄道氏が東京電池鉄道氏の依頼を受けて製作したフリーランスの1両編成の電車のことを言う。「丹小朗」とも書く。
三重電池鉄道氏が製作した「タンコロ」の紹介ページが
こちらだ。
平成10年代、このタンコロの存在を知った当時のお子ちゃまプラレーラーは驚いた。モデルを指定していない旧型の電車。地方私鉄らしさがあり、大手私鉄にもいたような雰囲気、そして国電にいてもおかしくないフォルム。1両でもよく、3両でもいい。そして正にプラレールらしいデフォルメ。理想的な架空の電車だ。
タンコロの誕生から20年が経った2021年。とある運転会にて本物のタンコロが展示され、当時と変わらぬ佇まいでレールに乗る姿に、運転会に参加していた元お子ちゃまの一同はモーレツに感動した。
少し間が開き、2023年。ひょんなことから「タンコロ再興計画」が立案された。三重電池鉄道氏より
原型をお借りし、某氏がそれを元に製作を開始した。
原型と同じく「電車」を種車とする。基本的な製法は同一。「タンコロ」では前照灯をEF15の複線品から、尾灯をエクスプレスライナー広電の複製品から取っているが、「2型」では某ノズルパーツを使用。
「2型」ではドアをプレスドアから普通のドアにアレンジし、時代に合わせて新メカ対応ボディとした。また、貫通路に渡り板を設けている。
新メカ対応となったことで、往復シャーシ・マスコンシャーシ等も搭載できるようになったのも「2型」の特徴だ。
そして2023年8月に第1ロット、続いて2024年1月に第2ロットが上がり、それぞれ希望者に配布された。
20年以上の時を経て復活したそれは、紛れもなくヤツだった。