旧動力時代初期①(1970〜74年頃)

セット品展示室へ
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開設:2020年8月12日
最終更新:2025年12月11日

プラスチック汽車シリーズは1965〜66年頃にブランド名「プラレール」に改称され、徐々に子供向け知育玩具として定着していきました。 1970年から実在の車種をモデルとした商品の開発・発売を始め、同時に今までは入門系のレイアウトが多めだったセット品も急速にその内容が発展しました。 この頃の製品を通称「メリーゴーランドマーク時代」と呼び、ブランドイメージの試行錯誤が見られるパッケージでのリリースが行われました。
「トミー ◯◯プラレールセット」と命名されているのが特徴的ですが、カタログでは単に「◯◯セット」と表記されています。

でんききかんしゃセット(1970年)
同年発売の新製品「でんききかんしゃ」のセット。赤いEF15が貨車を牽引するベーシックなセットです。単品同様、最初期生産品はグレー台車のEF15に赤台車の貨車、のちに黒台車のEF15に黄色台車の貨車に車両が変わっています。
情景部品「ふみきり」が登場した初のセットにもなります。パッケージの写真に載っている「ふみきり」は試作品のようで、青みが強い緑のベースに白い警標、錘部分が赤、遮断稈が黄色というデザインになっており、実際に発売されたものとは異なります。また、レイアウトにいくつか置かれている、赤・青の屋根を持つ小さな建物が見えますが、これはプラレールのものではなく、同時期に発売されていた「パノラマレール」というおもちゃの情景部品です。このうち、「こうかレール」の上に見える赤い屋根の建物は、後々プラレールの「いなかのトンネル」「高原の湖」に流用されています。
そしてよく見ると、「こうかレール」の上に直線レールを重ねて高架線を作っています。それ自体がレールなんですけども...
1973年末までに旧動力時代初期②の箱に更新されていますが、1974年の新セット同時発売を前に絶版となった模様です。

ニューでんしゃセット(1971年)
「ニューでんしゃ」唯一のセット品。基本的な小判型レイアウトですが、ワンポイントとして「はねばし」が入っています。この「はねばし」は1972年から2010年にかけて単品発売されており、単品絶版後も「レールセットA」に含まれたものが継続して生産されていましたが、2023年を最後にとうとう絶版。足掛け52年に渡り生産されていたロングセラー情景部品でした。
上のセットのように箱写真にプラレールではないものを使うのはマズいと思ったのか、建物が「ハウスブロック」に統一されているのが微笑ましいです。

ふくせんとっきゅうセット(1971年)
複線レイアウトがテーマのセット。「ふくせんプラレール」から駅を外して車両を変えただけですね。「とっきゅう」の中間車が電動超特急ひかり号・D-51きゅうこうれっしゃと共通なのは有名ですが、この頃はまだひかり号用の帯モールドが無い金型が使われており、地味に珍しいものです。

全自動ふみきりセット(1972年)
70年代セットの傑作とも言える大掛かりな情景を持つ全自動ふみきりセット。プラハイウェイとコラボした初のセットです。
この世代の他のセットと比べると斬新な箱写真をしており、踏切に差し掛かるD51を写しているのがお洒落です。
早期に消えた情景部品「桜の木」と「ハウスブロック」が写っているのも泣かせます。直線レール2本分の長さを持つ「全自動ふみきり」が堂々と真ん中に鎮座しています。
車両が踏切に差し掛かり小屋のレバーを押すと、踏切小屋内のモーターが作動して遮断機を下ろし、車(ブルーバード)が停止、車両が通過すると遮断機が上がり車が発進という動作をします。しかも両方向から進入しても動作する優れもの!
後年のどの踏切にも見られないモーターギミックを搭載しているのが非常に珍しく、現存していた事自体が奇跡と言えます。
当館で収蔵しているものは標識が欠品しており、プラハイウェイのカーブ用に金属製のガードレールが入っています。このガードレールは他の個体には見られないので、正規品なのかどうかは不明です。
また、箱の写真のD51はいわゆる青D51ですが、こちらは黒いD51が入っています。青が入った個体も出回っていたのでしょうか?

弁慶号セット(1972年)
日本の鉄道開業100周年を迎えた1972年に発売された弁慶号。やはり目玉商品になりますので、セット品も発売されました。 Uターンレールで複線を挟んだ変則エンドレスが特徴のセットです。単品には無かった旧型客車が付いているのが高ポイントです。
「いなかの駅」はセットオリジナルのカラーリング。弁慶号が走っていた北海道の駅のイメージが湧いてきますね。
上部両側の黄色いモノは「補助ブロック」といい、他の車両と比べて少し車高の高い弁慶号を高架下に潜らせるために、橋脚にはめて使うための部品です。 補助ブロックが残っている個体は珍しく、このセット自体も1年足らずの生産になるので非常に珍しいものとなっています。

C58蒸気機関車転車台セット(1972年)
上の弁慶号のセットと同じく、これまた変わったレイアウトのセット。商品名の通り、転車台がメイン情景となっています。写真の配置が弁慶号のセットと全く同じですが、パノラマレイアウト写真が共通であることから、同時発売されたことが伺えます。
テンダー車がすっぽり収まる大型の転車台を中心に、Y型レールとUターンレールを繋げたラケット型のループ線が両端に接続するというレイアウトです。C58の単品には客車が付属しますが、このセットでは方向転換遊びをするために機関車のみが入っています。上の弁慶号のセットと逆になりますね。
転車台とY型レールは共に凹ジョイントなため、ジョイントパーツ(マメ)が付属しています。「ほどうきょう」が付属するのは機関庫を跨ぐ跨線橋をイメージしてのことでしょうか?
余談ですが、古いプラレールファンの中にはこの転車台をお好み焼きと呼ぶ方がいます。言われてみれば、なんとなくそう見えてきます。

D51きゅうこうれっしゃセット(1972年)
D51きゅうこうがメインのセット。1970年に発売された「D51きしゃセット」(2024年6月現在未収蔵)の模様替え品で、車両を「D51きしゃ」から「D51きゅうこうれっしゃ」に、「えき」を「いなかのえき」に変更したもので、合わせて収納容器も改修されています。
Y型レールが「でんどうプラレールでんしゃセットNO.2(1968年)」のものと異なり、後に出ている溝付きの後期品とも違うため、短期間だけ生産された改良品のようです。

ちんちんでんしゃセット(1972年)
地味な存在かつ簡素なレイアウトのセットですが、実はかなりの大珍品。1970年代前半の製品としては有名な「ちんちんでんしゃ」が主題のセットです。
都電8000形がモデルの「ちんちんでんしゃ」ですが、今も昔もプラレールには路面電車用の併用軌道なんてもの存在しないため、車両に合わせた情景を入れようにもなかなか難しかったのでしょう、入っているのが「ほどうきょう」と「なみき」だけという苦肉の策が垣間見えるセット内容となっています。車両は運転台窓が開口している初期品です。
箱写真はなかなか秀逸なもので、高架線の内側を回ってから複線で外に出るという、まさしく都電を表現した素敵なものになっています。高架線上に青いプラ電車がいるのが注目ポイント。

ふくせんプラレール特急電車高架つきセット(1972年)
「ふくせんプラレール」を冠するセットとしては一番最後のもの。 内容的には「ふくせんとっきゅうセット」の高架版ですが、レール構成がそのままなため高架上にポイントレールがあるという近年でも目にしないレイアウトになっている事に注目です。
上に掲載している「ふくせんとっきゅうセット」の翌年に発売されたものですが、こちらでは中間車がひかり号のモールドが追加されているものが入っています。
鉄道開通百年記念ステッカーが残っている個体も見つかったので、こちらも掲載します。

DD51ディーゼルきかんしゃセット(1973年)
DD51の最も初期の形態であるグレー台車にグレー屋根のものが入ったセット。積み込み貨物駅と積荷おろし貨物駅が入っています。箱写真はの貨車は赤色ですが、これは試作品のようで、セットには黄色いものが入っています。
所有者様は子供の頃に買ってもらったものをそのまま保管していたそうで、箱を補修して大事にしていた事が伺えますね。

未掲載品

ふくせんプラレールステーションニューセット(1970年)
D51きしゃセット(1970年)

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