1960年代のプラレールには、実車モチーフの製品の他にギミックを中心とした「ゆうえんちシリーズ」が展開されていました。
情景部品には「メリーゴーランド」「かんらんしゃ」が用意され、メルヘンなプラレールの世界観を作り上げていましたが、1970年以降の実車モデル中心の商品展開に移行する前に展開を終了しています。同じようなコンセプトは
「プラレールランドシリーズ」に引き継がれました。本家ゆうえんちシリーズ終了後も以下のディズニーデラックスセットのように細々と続いていましたが、1975年までに消滅しています。
ゆうえんちシリーズの派生品。箱に「MBS系テレビ放映中 ディズニーぱれーど」「TVで人気者のミッキー」とあるため、当時既に玩具として一定の地位を得ていたプラレールとディズニーがコラボする事で更なる知名度向上を図ったものなのではないかと考えます。
[2020年11月15日追記]
Cokeさんより「ディズニーぱれーど」について詳細を教えていただき、放送が1973年だと判明したので発売年を同年に修正しました。確かに、プラレールロゴの使用開始時期を考えると辻褄が合いますね。
海外版
架空の汽車がモチーフの「ゆうえんち」シリーズの汽車はその無国籍さ漂う外観が功をなしたのか、そもそも海外展開を前提とした設計だったのか定かではありませんが、プラスチック汽車シリーズから派生したレールトイでも同じ車両を使ったものが流通していました。
アメリカの玩具メーカーCHILD GUIDANCEが生産していたCHILD GUIDANCE RAILROADはプラレールの規格を踏襲しつつもレールを独自のものに変更しており、枕木表現がある丸ジョイントのものとなっていました。プラレール同様に手転がしの汽車のセットもありましたが、ここに掲載しているもののようにゆうえんち汽車のセットや、電動超特急ひかり号の先頭車を水色に成型したものが入ったセットなどが存在していました。
CHILD GUIDANCE KIDDIE LAND(1960年代)
CHILD GUIDANCE社製のゆうえんちセット。車両と人形、各種情景は日本国内で発売されていたものと同一で、レールのみが異なります。牽引される自動車は3両あり、緑色のものが入っているのが日本版とは異なる特徴です(もしかしたら日本版にもあったかもしれませんが...)
情景部品は「メリーゴーランド」「ティーカップ」「かんらんしゃ」の3つが入っているという豪華仕様。日本では「ティーカップ」は単品売りでのみ流通しており、セット品で入っていたものは存在しないと考えられています。
ちなみに商品名を直訳すると「子供向けのランド」、つまりは遊園地です。