上下箱③

車両単品のページへ
◀︎上下箱②電車箱▶︎
最終更新:2024年4月1日

箱について

1974年半ばに箱のデザインが変更され、メリーゴーランドマークに代わり通称「ひかり号マーク」と呼ばれるロゴが導入されました。このマークは昭和のプラレールを代表するマークのような位置付けとなり、EC箱時代が終わる1987年まで使われています。1999年の40周年の際には復刻マークとして一部製品で再登場しました。
箱のレイアウトは上下箱②とあまり変わりませんが、子供向けなのを考慮してか、商品名の漢字表記が撤廃されています。
商品名の地色に採用されている車両のイメージカラーも上下箱②の姿を継承していますが、「D-51きしゃ」の絶版に伴い紺色を「C-12かもつれっしゃ」に譲ったり、「とうかいがたきゅうこうでんしゃ」「ちかてつシルバーでんしゃ」のように濃淡のある同系統色の組み合わせで既存の色との差別化を図ったものが現れるなど、印刷技術の向上やデザイン性の更なる進化が反映されています。
上下箱②では後付けの印刷となったために位置がバラバラだったSTマークですが、この箱ではトミーロゴと対象年齢とSTマークを同じ枠に入れて横並びに配置されるようになり、スッキリした見た目になりました。1975年頃には対象年齢が「2〜8才」から「2〜6才」に変更されているので、変更までに発売された製品には印刷違いの箱バリエーションが存在しています。
1976年に発売された「EF-66でんききかんしゃ」と「ED-70でんききかんしゃ〈緑〉」では箱と蓋が一体となった新たな箱、通称「上蓋箱」が採用されましたが、発売後すぐに「電車箱」が登場したため普及せずに消滅しています。
「電車箱」の登場により既存の製品も順次箱が更新されたため、上下箱③の時代はあまり長く続かずに終わりました。

車両ついて

この世代で連結器と動力車の動輪が更新されており、連結器は何かの弾みで外れやすい構造になっていたものを1975年頃に2023年現在でも使われているタイプに近いものに改良されています。これにより走行中の安定性の向上が図られています。
また理由は不明ですが、動輪はモールドを1本増やす改良が施され、現行品とほぼ同様の三重円の見た目になりました。
上下箱②までの車両は、2023年現在からするとまだ前時代といった感じでした。上記の連結器を始めとして、現在まで続く車両構造(主にシャーシ周り)が完全に確立したのは、この上下箱③からだと言えます。
例えば「電動プラ電車」から商品名が変更された「でんしゃ」は、おもちゃらしいデフォルメだった両運転台の車体がこの箱に移行してしばらくしてから片運転台の新金型となり、従来の中間・後尾の車体と接着して固定していた台車を経て、車体側に付けられたネジ棒を介して台車と車体をネジ留めで固定する方式に改良されています。この台車は初出が「でんしゃ」であったことから、一部ファンの間では「電車台車」と呼ばれています。
「電車台車」の確立により、主に通勤電車系はこの「でんしゃ」の規格を基にデフォルメされるようになり、2023年現在でも使われている完成された規格となっています。
今まで国鉄車ばかりだったプラレールに私鉄の車両が登場したのもこの世代の特徴です。1974年発売の「パノラマとっきゅう」は小田急3100形NSEをモデルとした車両ですが、小田急の承認を受けていないのか、塗装技術にまだ難があったのか、はたまた名鉄パノラマカーの存在に配慮したのか定かではありませんが、赤い車体に白い台車、そして水色の帯という実車とはかけ離れたカラーリングで発売されました。
1975年発売の「ちかてつシルバーでんしゃ」は営団地下鉄千代田線6000系をモデルとしたもの。側面に帯モールドが入っていますが、この時は銀メッキ一色で帯は前面にあるのみという姿でした。
この世代で特に評価が高いのが「しんだいとっきゅう」と「とうかいがたきゅうこうでんしゃ」の2つ。いずれもおもちゃらしくも素晴らしいモールド表現が施され、今でも人気の車両です。
電気機関車も多様化し、新たな仲間としてEF58が登場しています。1975年にはモーターボックス内のギアを車体下にあるスイッチひとつで切り替え、前後に動くようにした「おうふくプラレール」が誕生。1975年にEF15の車体を流用しED70が、1976年には完全新規のEF66が発売されました。
ED70は「おうふくプラレールりったいつみおろしセット」「おうふくプラレールせんしゃじょうセット」「おうふくプラレールそうしゃじょうセット」とほぼ同時期の発売で、「黄」「緑」の2色が存在しています。共通の車体を持つEF15も同様に3色展開が行われています。ED70の「赤」は1977年発売の「おうふくプラレールED-70つみおろしセット」のみで、単品では発売されていません。ED70は買ってすぐに遊べるよう、リターンレールが2本と直線レール1本が付属しており、これは上下箱・上蓋箱ともに共通です。
1973年に発売された「C12・ロータリーじょせつしゃセット」で登場したC12が貨物列車として初めて先頭に立ったのもこの世代です。箱では「D51きしゃ」と同じく赤い台車の貨車を牽引していますが、D51との差別化を図るためか黄色い台車の貨車とセットになっています。
C12は2009年に金型を更新されつつも「KF-01 C12蒸気機関車」として2023年現在も現役でラインナップに載っており、50年間途切れる事なく発売され続けている古参車両になりました。

[2024年4月1日 追記]
「上蓋箱」の2種を収蔵しました。残すは「ちんちんでんしゃ」と「EF-15でんききかんしゃ」の赤と緑です。黄だけ収蔵済みというのも何か変な感じがしてきました。

旧紹介文(2020年8月12日〜2023年2月15日)
1974年半ばに箱のデザインが変更され、メリーゴーランドマークに代わり通称「ひかり号マーク」と呼ばれるロゴが導入されました。 子供向けなのを考慮してか、商品名の漢字表記が撤廃されています。
車両はほとんど上下箱②の時代から継承されていますが、「でんしゃ」金型は片運転台に、EF15にはカラーバリエーションが出来るなど発展が見られます。
「でんしゃ」シリーズは箱写真に両運転台の旧製品が使われていますが、生産途中で片運転台の新金型に更新されました。
この世代で連結器と動力車の動輪が更新されており、連結器は何かの弾みで外れやすい構造になっていたものを1975年頃に2023年現在でも使われているタイプに近いものに改良されています。これにより走行中に何かの弾みで連結が外れることが無くなりました。
動輪はモールドが1本増やされ、現行品とほぼ同様の三重円のような見た目になりました。この改良の理由は不明です。
情景部品やレールと同様、1975年頃に対象年齢が2〜8才から2〜6才に変更されています。
「EF-58でんききかんしゃ」は生産途中で貨車が白コンテナの「冷蔵車」から緑コンテナの「コンテナ車」に変更されています。 この上下箱③ですが、採用期間はあまり長くなく1976年頃に電車箱に移行しました。
また、同時期に箱と蓋が一体となったタイプの通称「上蓋箱」という箱が登場しています。上蓋箱は2車種での採用に留まった上、上下箱③の後継というわけでもないので、当ページに併記します。(上蓋箱は2021年8月現在、未収蔵です)

ちょうとっきゅうひかりごう
しんだいとっきゅう
とっきゅう
パノラマとっきゅう
とうかいがたきゅうこうでんしゃ
でんしゃ〈赤〉
でんしゃ〈黄〉
でんしゃ〈緑〉
ニューでんしゃ
かいそくでんしゃ
ちかてつシルバーでんしゃ
ちんちんでんしゃ
EF-58でんききかんしゃ
EF-15でんききかんしゃ〈赤〉
EF-15でんききかんしゃ〈黄〉
EF-15でんききかんしゃ〈緑〉
ED-70でんききかんしゃ〈黄〉
ED-70でんききかんしゃ〈緑〉
DD-51ディーゼルきかんしゃ
べんけいごう
D-51きゅうこうれっしゃ
C-12かもつれっしゃ

上蓋箱

おうふくプラレールのEF-66とED-70でのみ採用された変わったタイプの箱。箱と蓋が一体となっています。箱は共通設計かと思いきや、ED-70にレールを同梱している関係上、上下箱と同じ寸法で作られており、EF-66の箱とはサイズが異なります。
ED-70は上下箱に2色存在するのに対して、上蓋箱では緑のみが確認されています。EF-66は1年足らずの発売となり、電車箱に移行した際に1両単品売りに変更されたため、旧動力時代に貨車付きで発売されたのはこの時のみとなります。

EF-66でんききかんしゃ
ED-70でんききかんしゃ

上下箱② ◀︎ 上下箱③ ▶︎ 電車箱
 › 
 › 
上下箱③