上下箱③の次に登場した箱が、この「電車箱」です。
生産期間は1976年から1978年、または1979年初頭までと考えられており、その短い生産時期のため2020年現在でも全貌が不明となっています。
同じ車種でも箱が複数存在し、商品名が印刷されているものとステッカー貼りのものが確認されています。
ステッカー貼りのものは全ての車種で共通になっているため、コストカット等を目指したのかもしれませんが、結局定着せずにEC箱に移行しました。
当館では、商品名が印刷されているものを「専用箱」、ステッカー貼りのものを「汎用箱」と分類しました。
1両単品の箱にも専用箱・汎用箱があり、地色には茶色・青色・青緑色・黄色などが確認されています。
カタログを見る限り、掲載している6種の他に
「東海型急行電車」「寝台特急」「L特急」「地下鉄電車」「電車(赤・黄・緑)」「C-62きてきいり」
及び先頭車単品「C-12」「EF-66おうふく」「ED-70おうふく」「EF-58」「EF-15」
更にカタログ未掲載で存在が確認されている先頭車単品に「パノラマ特急」「寝台特急」「東海型」があります。
3両単品の車種全てに先頭車単品が存在しているとすると、「電車」「L特急」もあるのかもしれません。
また、未確認の製品を含めて全てに汎用箱と専用箱が存在していると考えられますが、あまりにも現存数が少ないので全く調査が進展していない箱になっています。
[2022年3月4日 追記]
この度、当館での区分"汎用箱"の「ニューひかり号」を入手しました。この結果、上記の記述を含めて電車箱に対する認識が一部誤っていたことが判明しました。
「ステッカー貼りのものは全ての車種で共通になっているため、コストカット等を目指したのかもしれませんが」という説ですが、
背面のフォーマットを見たところ「ひかり号」にはある乾電池の入れ方がABC-abcの組み合わせではなく当時のラインナップの商品名で区別されており、仮にステッカー貼りのものを電車箱後期とすると、ABC-abcの表記が一度廃止された事になってしまいます。
EC箱に切り替えた際にわざわざ復活させるなんて面倒な事をするとも思えないので、ステッカー貼りの方が電車箱の初期品ということになります。
とは言え、ステッカーなのに乾電池の入れ方の表記がある「パノラマ特急」が現にここにあるので、一概に前後期と区別するのも難しそうです。助けてくだせぇ...
[2022年5月12日 追記]
なんと!!!!車両単品の「ED-70」が存在することが判明しました!上記の通り、カタログには掲載されているのですが長らく実物が確認されておらず、実在するかさえ不明でしたが、これではっきりしました。
「EF-15」が見つかる日も近いかもしれませんね。
[2022年5月20日 追記]
上記の「ED-70」を入手した方から連絡があり、この幻級の逸品を収蔵できることになりました。この場を借りて感謝いたします。ありがとうございました。
箱は今回初めて収蔵するタイプで、以前から掲載している3車種とは異なる黄色地の箱、商品名のステッカーに電池の入れ方が記載されてあるものです。徐々にタイプ別の箱も集まってきたので、そろそろ分類する必要がありそうです。
[2023年2月9日 追記]
とあるコレクターの方からのご提供により、専用箱の「L特急」「地下鉄電車」「EF-58」と、専用箱の「C-12」「おうふくEF-66」の5車種を一気に収蔵しました。
このうち「C-12」は既に収蔵している1両単品の青色箱と同じフォーマットであるものの、黄色地のものとなっています。新発見です。しかもよく見るとただの色違いというわけではなく、STマークの記載が「玩具安全基準合格」となっており、枠が正方形に近いEC箱と同様のものになっています。参考に青箱で枠が若干長方形のものは「玩具安全マーク」表記です。
また、往復EF66が「おおふく」表記だったのを発見。黄色タグ時代のリターンレールと同様の表記です。EC箱では「おうふく」に直されているので、どうしてこうなったのかいまいち分かりません。
電車箱、まだまだ謎だらけですね。