電車箱

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◀︎上下箱③EC箱▶︎
最終更新:2024年10月1日

箱について

上下箱③の次に登場した4代目の箱は、通称「電車箱」と呼ばれています。1976年から1979年初頭頃まで生産されていたと考えられ、かなり短命な存在です。当時の車両ラインナップのイラストをタイル状に敷き詰めたデザイン=「電車の絵がたくさん」と言ったところから、こう呼ばれるようになりました。表記揺れで「でんしゃ箱」と書く場合もあります。
「身」と「蓋」に分かれていた今までの上下箱から一新され、1両目と2両目が見える窓付きのサック箱(キャラメル箱)になりました。これにより上下箱時代のように店頭で箱を開けないと中身が確認できないといった事が無くなり、以降2023年の現在まで45年以上続く箱形状の基礎を確立しました。他にも現在まで続く売り方も確立しており、今までは貨車との3両セットで販売されていた機関車を1両単品で売り始めたというのも特筆できます。また定着しなかった売り方として、機関車以外の先頭車の単品売りも存在していました。
生産期間は短いながらも箱のタイプが多く存在し、各製品で共通の黄色い箱を用いて商品名をステッカー貼りとした「汎用箱」と、箱の地色を車両のイメージカラーに合わせて商品名を印刷とした「専用箱」の2つに大まかに分けられます。「専用箱」と一部の「汎用箱」では商品名の横に「乾電池の入れ方」が記載されるようになり、車両ごとに異なる先頭車カバーのフックと動力スイッチの位置の組み合わせを記号で確認できるようになりました。
描かれているイラストはひかり号、寝台特急、特急電車、L特急、東海型電車、電車、パノラマ特急、地下鉄電車、D-51急行、EF-58の10種類。商品名の文字は上下箱までの手書きから写植フォントの使用に移行し、写研の「スーボ」が採用され、EC箱まで継続して使われました。

車両について

車両は上下箱③世代の車両が引き続きラインナップに載っている他、「ひかり号(ニューひかり号)」「L特急」「C-62きてきいり」「スカイライナー」の4車種が新製品として登場しています。
おうふくプラレールの「ED-70」と「EF-66」はレールの同梱が廃され、1両単品での発売となっています。カタログ上では「EF-15」も1両単品として記載がありますが、2023年12月現在未発見です。
箱のイラストにもある「特急電車」はこの世代の間のみ一時的に絶版となっていたと考えられており、EC箱になってから復活しています。もし見つかったら大発見です。
電車箱は生産期間の短さから全容が不明のままで、例えば「ひかり号」の専用箱や「ED-70」の存在はここ数年で再発見されたものになります。
特に電車箱末期となる1978年に発売された「スカイライナー」は全くと言っていいほど見つかっておらず、現在捜索中です。
ただでさえ揃える難易度が高い電車箱、「電車」「寝台特急」「C-62きてきいり」「スカイライナー」は現在も未収蔵です。もしお持ちの方がいらっしゃいましたら、ご連絡お待ちしております。
[2024年1月31日 追記]
「寝台特急」の専用箱を収蔵しました!車体色をイメージしたと思われるクリーム色の箱になっているのが素敵です。
[2024年7月22日 追記]
「寝台特急」の先頭車単品を収蔵しました!3両単品とは異なり青色の汎用箱に商品名を貼ったものですが、もしかすると他の先頭車単品のように専用箱も存在しているかもしれません。引き続き捜索中です。

旧紹介文(2020年8月12日〜2023年12月8日)
上下箱③の次に登場した箱が、この「電車箱」です。 生産期間は1976年から1978年、または1979年初頭までと考えられており、その短い生産時期のため2020年現在でも全貌が不明となっています。
同じ車種でも箱が複数存在し、商品名が印刷されているものとステッカー貼りのものが確認されています。 ステッカー貼りのものは全ての車種で共通になっているため、コストカット等を目指したのかもしれませんが、結局定着せずにEC箱に移行しました。
当館では、商品名が印刷されているものを「専用箱」、ステッカー貼りのものを「汎用箱」と分類しました。
1両単品の箱にも専用箱・汎用箱があり、地色には茶色・青色・青緑色・黄色などが確認されています。
カタログを見る限り、掲載している6種の他に 「東海型急行電車」「寝台特急」「L特急」「地下鉄電車」「電車(赤・黄・緑)」「C-62きてきいり」 及び先頭車単品「C-12」「EF-66おうふく」「ED-70おうふく」「EF-58」「EF-15」 更にカタログ未掲載で存在が確認されている先頭車単品に「パノラマ特急」「寝台特急」「東海型」があります。
3両単品の車種全てに先頭車単品が存在しているとすると、「電車」「L特急」もあるのかもしれません。 また、未確認の製品を含めて全てに汎用箱と専用箱が存在していると考えられますが、あまりにも現存数が少ないので全く調査が進展していない箱になっています。
[2022年3月4日 追記]
この度、当館での区分"汎用箱"の「ニューひかり号」を入手しました。この結果、上記の記述を含めて電車箱に対する認識が一部誤っていたことが判明しました。
ステッカー貼りのものは全ての車種で共通になっているため、コストカット等を目指したのかもしれませんが」という説ですが、 背面のフォーマットを見たところ「ひかり号」にはある乾電池の入れ方がABC-abcの組み合わせではなく当時のラインナップの商品名で区別されており、仮にステッカー貼りのものを電車箱後期とすると、ABC-abcの表記が一度廃止された事になってしまいます。
EC箱に切り替えた際にわざわざ復活させるなんて面倒な事をするとも思えないので、ステッカー貼りの方が電車箱の初期品ということになります。 とは言え、ステッカーなのに乾電池の入れ方の表記がある「パノラマ特急」が現にここにあるので、一概に前後期と区別するのも難しそうです。助けてくだせぇ...
[2022年5月12日 追記]
なんと!!!!車両単品の「ED-70」が存在することが判明しました!上記の通り、カタログには掲載されているのですが長らく実物が確認されておらず、実在するかさえ不明でしたが、これではっきりしました。 「EF-15」が見つかる日も近いかもしれませんね。
[2022年5月20日 追記]
上記の「ED-70」を入手した方から連絡があり、この幻級の逸品を収蔵できることになりました。この場を借りて感謝いたします。ありがとうございました。
箱は今回初めて収蔵するタイプで、以前から掲載している3車種とは異なる黄色地の箱、商品名のステッカーに電池の入れ方が記載されてあるものです。徐々にタイプ別の箱も集まってきたので、そろそろ分類する必要がありそうです。
[2023年2月9日 追記]
とあるコレクターの方からのご提供により、専用箱の「L特急」「地下鉄電車」「EF-58」と、専用箱の「C-12」「おうふくEF-66」の5車種を一気に収蔵しました。
このうち「C-12」は既に収蔵している1両単品の青色箱と同じフォーマットであるものの、黄色地のものとなっています。新発見です。しかもよく見るとただの色違いというわけではなく、STマークの記載が「玩具安全基準合格」となっており、枠が正方形に近いEC箱と同様のものになっています。参考に青箱で枠が若干長方形のものは「玩具安全マーク」表記です。
また、往復EF66が「おおふく」表記だったのを発見。黄色タグ時代のリターンレールと同様の表記です。EC箱では「おうふく」に直されているので、どうしてこうなったのかいまいち分かりません。
電車箱、まだまだ謎だらけですね。

ニューひかり号 / ひかり号
パノラマ特急
L特急
地下鉄電車
東海型電車
寝台特急
電車
スカイライナー
C-62きてきいり

先頭車単品

あまり注目されていませんが、電車箱世代最大の特徴は「先頭車単品」の存在にあります。
機関車については現在に至るまでの1両単品売りを確立したものと言えますが、どういうわけか3両単品の電車系にも先頭車単品が存在しています。
2024年現在、電車の先頭車単品は「地下鉄電車」「寝台特急」「東海型電車(未収蔵につき捜索中)」の3種類が見つかっており、「L特急」「パノラマ特急」「電車」「スカイライナー」については全く不明です。
この機関車以外の先頭車単品については、当時の旧動力車両は壊れた時の修理が難しい構造だったことによる買い替え用であるという説と、中間車単品に加えて後尾車単品も当時の業者向けカタログに載っていることから、1両ずつ買い揃える楽しみを目的としたものという説があります。とは言え、中間・後尾が共通である「電車」を除いて、他の車両の後尾車単品については未だに発見例がありません。短命に終わってしまった箱だけあって、未だに謎が多いままです。
前述した「東海型電車」の先頭車単品をはじめ、「D-51」「C-12」「DD-51」「おうふくEF-66」の専用箱、「EE-58」の汎用箱は未収蔵、1977年の業者カタログに掲載があり、1978年のカタログからは削除された「EF-15」については未発見です。
どれか一つでもお持ちの方がいらっしゃいましたら、ご連絡お待ちしております。
[2024年9月18日 追記]
「EF-58」の汎用箱を収蔵しました。他の車種とは異なり、何故か商名がハイフンなしの「EF58」です。実車形式の表記としてはこちらが正しいんですけどね。専用箱化の際に「EF-58」に直されました。

C-12
D-51
DD-51 ディーゼル
おおふくEF-66
ED-70
EF58 / EF-58
地下鉄
寝台特急

中間車単品

電車箱時代の中間車単品は商品名の記載がない共通のタグを付けて販売されていました。EC箱の登場と同時にタグが更新されたので出物が少なく、コレクターの間でもこれといった通称がありません。なので、館長はタグの色をとって便宜上「青タグ」と呼んでいます。レール・情景の「青タグ」と混同してしまうので、あくまで個人的な呼び方です。
電車箱のタグなのにデザインが共通というわけでもないので、どのように呼べばいいかいまいち分かりません。汽車の絵が描かれているので、名付けるならば「汽車タグ」でしょうか。初期のタグはSTマークの枠が長方形で、後年は正方形に変わっています。
「無蓋車」は上下箱③のC-12かもつれっしゃから単品化されたもので、よく知られる無蓋車とは長さが異なります。よく知られる方は丸太が付属する「木材車」として、長い方と並行して発売されていました。

ひかり号
寝台特急(薄色)
無蓋車
カートランスポート

木材車
パノラマ特急


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