電車箱の次に登場した5代目箱は、蓋に「EC◯◯」という付番が付いたために通称「EC箱」と呼ばれています。1978年から1987年まで使われ、新動力化と共に姿を消しました。
この付番はカタログには記載されておらず、何のために付けたのか今でも不明ですが「特に意味はない」との説もあります。
一部欠番があり(SL02・EL03・EL04)、「C-62きてきいり」「EF-15」「ED-70」の3車種が該当しそうなのですが、発見されていません。発売を予定していて結局やめたものと考えられますが、詳細は不明です。
1978年のカタログを見ると上記3車種が掲載されているので存在していそうなものですが... 何かご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。
生産途中の1982年頃にトミーのブランドロゴが変更されたため、地色が1色しかない製品でも箱が二通り存在するという、コレクター視点からすると恐怖の箱です。
なお、DD-51やC-12などの1両箱と中間車や貨車の単品売りは1982年以降も旧ブランドロゴが継続して使用されています。
箱の地色には黄色・青色・緑色・灰色の4色が存在しているのですが、特に法則性も見られないのでどのような意味があって色を変えていたのかは不明です。
同一の製品で途中から地色が変更されたものもあります。
「EC07 電車」には色表記の有無があり、当初は全色で色表記の無い同一の箱が使われていましたが、1985年の製造分から色表記が追加されています。
2020年現在、色表記無しの「EC07 電車」に関しては緑と黄を展示中ですが、赤と青も存在するのでコンプリートを目指して捜索中です。
また、
1985年製造分から箱にバーコードが印刷されるようになりました。
「EC08 スカイライナー」は実車が1983年から翌年にかけて塗装を変更したことを受け、1984年にモールドを作り直した新塗装が発売され、同時に箱の色が変わっています。
1987年初頭に製造された一部製品には中身が新動力になっているものがあり、更に新動力仕様の箱まで存在している事が確認されています。(現在スカイライナーのみで確認)
また、EC01は「ニューひかり号」だという情報がありますが、現在に至るまで発見されておりません。
未掲載ですが、「SL01 D-51急行」には蓋にEC付番の無いものがあり、EC箱の中でも最も初期に製造されたものの可能性があります。
基本的にどの車両も発売から絶版まで姿形を変えずに生産され続けていましたが、「EC08 スカイライナー」は前述の通り、「EC09 ライト付ひかり号」はライト機構の変更、「EC14 ビスタカー」では車体裾の帯塗装の省略など、仕様変更が施されたものもあります。
「EL05 ブルートレーン」「DL02 ディーゼル特急」は1979年の発売当初のみ青地箱でしたが、いずれもごく短期間で黄色地箱に変更されており、青地箱は非常に珍しいものとなっています。
さらに、1981年に福岡県の百貨店井筒屋で発売された「
福岡地下鉄電車」が存在していますが、超希少品なため未掲載です。
未掲載の箱や車両を所有してる方が居ましたらご連絡を頂けると幸いです。
[2020年9月3日追記]
EC01の存在が確認されました!
今までは「EC01はニューひかり号」という情報が過去に文献で出たのみで、コレクターが台頭してきたこの約20年間その現物は確認されていなかったのですが、今回実在する事が分かりました。
生産年表やカタログを参照すると確かに消去法でEC01だけが残るのですが、「ニューひかり号」は1979年に絶版となっており、電車箱から移行しないまま姿を消した可能性もあったため存在を確認できたのは驚きでした。
商品名は通説の「ニューひかり号」ではなく単なる「ひかり号」で、中身はライトが窪んでいる初期タイプの"青鼻"です。
そしてよく見ると他の車種に見られる「動力車付」の表記が無く、「乾電池の入れ方」のみが印刷されているという電車箱フォーマットです。
登場直後のEC箱は全てこのフォーマットだったのではないかと考えられます。(現時点では電車・地下鉄電車・L特急・パノラマ特急・スカイライナーで確認されています)