旧動力時代後期(1981〜86年)

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最終更新:2023年4月13日

1981年から86年かけて発売されたセット品は、子供が大きなパノラマレイアウトで遊んでいる様子をメインにしたベージュ基調のフォーマットになりました。
セットの内容物をレイアウトに組み込んで遊んでいる写真がメインですが、パノラマとは別にセットレイアウトを単独で置いているものも見られます。
ラジオコントロールのものは単品同様の水色を取り込んだ独自のデザインになっています。
1982年にトミーのブランドロゴがいわゆる「バンザイマーク」から、角丸フォントの「TOMY」に変更されています。

ブルートレーンエレクトロ踏切セット(1981年)
新製品「エレクトロ踏切」のアピールセット。ブルートレーンをチョイスしたのが高評価です。
踏切小屋の屋根に「電子サウンドフミキリ」と印刷された紙が乗せられています。他の情景部品は架線柱のみ。

電気機関車立体交差セット(1981年)
新動力化の直前まで約7年間に渡り生産されていたスタンダードなセット。 前年に発売された「コンテナ積みおろしセット」に入っていたEF15がグレーの台車だった事から、1981年の発売当初はライト機構を省いただけのグレー台車の個体が入っていました。 おそらくグレーの樹脂の在庫が無くなったあたりで元の黒台車に戻されたと考えられます。箱の写真は当初から黒台車のEF15が使われています。生産期間が長く、スタンダードなセットだったためか、これだけは今でも良い状態のものが出てきます。

ひかり号大鉄橋セット(1982年)
1975年のカタログ掲載を最後に絶版となっていた「坂カーブレール」がセットオリジナルカラーで復活しました。 台座とレール部で濃淡が付けられており、盛り土を走り鉄橋を渡る新幹線のイメージがよく表現されているセットです。
上2つのセットは前年発売ですが、このセットの坂カーブレールが写っているので、製造・撮影・発売の順序が結構適当な模様。

入門セット ひかり号(1982年)
入門セットシリーズの東海道山陽新幹線版。2両編成となったライト付ひかり号が入っていますが、廉価版なのでライト機構は省かれています。対象年齢も低めに設定されており、1.5才〜5才と幅広くなっています。
箱写真は「電気機関車立体交差セット」のものを流用しています。この入門セットシリーズからトミーのロゴ変更が反映されています。

入門セット 東北上越新幹線(1982年)
入門セットシリーズの東北上越新幹線版。ひかり号と同じくライト無しです。 この2つの他にD-51の入門セットもありますが、滅多に出てきません。

基本NO.1セット D-51(1982年)
No.1セットの後期箱版。中身に違いはありません。この年の製品から変更された新トミーロゴですが、入門セットでは赤だったものが見やすさを考えてか白抜き仕様になりました。

基本NO.2セット ライト付ひかり号(1982年)
基本セットシリーズの2つ目。
1985年に車両を「ニュー新幹線」に置き換えられ、1987年の新動力化直前まで生産され続けました。
箱には微妙ながらもバリエーションがあり、レイアウト写真に売店付きの「駅」が使われている個体が確認されています。 その個体は「駅が、箱の写真と異なっていますが、ご了承ください」とお詫びの紙が入っている事から、82年製造分の初期ロットだけがその仕様で生産されたのではないかと考えています。

東北上越新幹線デラックスセット(1982年)
1982年に大宮〜盛岡・新潟間が開通した東北・上越新幹線の沿線をイメージしたセット。同年発売の「高原の湖」が含まれた唯一のセットです。
ファミリー人形付きですが、乗れる車両も無ければ駅も入っておらず、どこに置けというのか...

シュッポーD-51セット(1982年)
シュッポーD-51にもセットがありました。単品同様、笛付きです。こちらもファミリー人形が付いてきます。
基本NO.2セットと同じベーシックなレイアウトですが、「ブロックトンネル」と「いなかのえき」があるだけで蒸気機関車が似合う田舎風情のあるレイアウトに仕立てられています。

ライト付東海道山陽新幹線セット 開通20周年記念新幹線専用高架レールセット(1983年)
1984年の東海道新幹線開通20周年を記念したセット。 新幹線専用の高架レールが目を引きますが、このレールの開発コストが嵩張ったせいで高価になったと聞きます。曲線レールは大曲線と同規格になっており、カーブ半径の緩い新幹線の特徴を上手く捉えている素晴らしいセットです。
この高架レールは14年後の1997年に新幹線系セット3種で再登場しましたが、それ以来二度と発売されることはありませんでした。

ファミリーつき まちの駅セット(1983年)
これまた驚異の大珍品!近郊型でんしゃふみきりえきセットの「踏切駅」を改良してファミリー人形を立たせられる突起を設け、列車がホームに着くと動輪で発車ベルと人形を同時に動かすというかなり大掛かりなギミック系セットになります。
車両にはL特急が選ばれ、幹線を走る特急電車が賑わう途中駅に停車するといった情景になっているのが素敵です。 モーターひとつでこのギミックを動かすために負荷が大きくなる上に製造コストもかかってしまうので、あまり多く生産される事なく姿を消しました。

メロディーD-51セット(1983年)
こちらもウルトラ大珍品!ただでさえ生産数が少なく入手困難品である「メロディーD-51」のセット品です。このセット自体も生産数が少なく、なんとネット上にもほとんど情報がありません。SNSでの断片的な公開やオークションでの出品を除くと、このように公開するのは今回が初めてになるかもしれないです。「カタログには載っているけど実際に発売されたわけではない」と断言されるくらいには存在自体を疑問視する声があったほど。
鉄橋と踏切が入っており、結構簡素な構成ですが田舎を走る路線の雰囲気が出ていて非常にグッド。ちなみに単品は2023年4月時点でもまだ未収蔵といったレベルで珍しいです。どなたかお持ちではありませんか...
[2023年12月9日 追記]
すっかり追記を失念していましたが、車両単品の「SL06 メロディーD-51」は7月1日に無事収蔵できております。

メロディー東北上越新幹線セット(1983年)
プラレール冬の時代に発売された「メロディー東北・上越新幹線」が入ったセット。単品は「鉄道唱歌」を搭載しているのに対し、こちら「カッコウワルツ」を流します。
せっかくのセット品なのに車両自体が高価になったしまったせいで平凡なレイアウトなのが残念ですが、D51が地上線のセットであるのに対して、新幹線らしい高架線を表現したと思われます。とは言え他に情景がないので、「新幹線だしとりあえず高架線にしておいたぜ」感が漂いますね。せめて鉄橋でもあれば!
[2022年3月14日 追記]
噂には聞いていましたが中々目にすることができなかった「鉄道唱歌」版のセットを発見!!エチゼンさんのお写真の提供を頂きました。
単品が「鉄道唱歌」で(EC箱のページを参照)、セット品が「カッコウワルツ」と分けられているというのが通説でしたが、「セット品にも鉄道唱歌を流すものがあるらしい」 と聞いた時はびっくりしたものです。その生産数の少なさゆえにそもそも出回ることがなく、出てくるのもカッコウワルツ版ばかり。鉄道唱歌版が出てくることは滅多に無いと思われます。
箱、中身共に「曲目」のステッカー以外の差異はありません。

ファミリーりょこう サロンカーセット(1984年)
単品ですら入手困難品として名高いサロンカー。そのセットです。
鉄橋とブロックトンネルが入り、山岳地帯を走る路線をイメージしたようなレイアウトがイカします。中央本線や東海道線のような雰囲気があります。 もちろんファミリー人形付きですが、サロンカーとファミリー人形は元々セットで一製品になっているためか、マークは印刷されていません。

ラジオコントロール ぼくはうんてんしゅ 東北上越新幹線セット(1984年)
R/Cシリーズのセット品は独特のデザイン。水色の逆L字が斬新です。定価は1984年当時のセット品の中で最も高く、4,980円もしました。
箱写真をよく見ると、200系が停車している駅の対面にリレー号が停まっているのが細かいです。

L特急ブロック橋脚セット / L特急ブロック橋げたセット(1984年)
当時の新製品「ブロック橋脚」をメインとしたセット。上下二層の立体構造を取り入れたために変わったレイアウトになっています。
開発当時は「特急電車」を入れる予定だったと思われ、その証拠に箱の側面写真に使われている車両が「特急電車」と「L特急」の2種類があります。こちらは後者の個体。 「特急電車」は1983年に絶版となったので「L特急」に変更したものと考えられますが、車両の正式決定がされる前にレイアウト写真が納められたために使うしかなかったのでしょう。「特急電車」が使われている箱は滅多に出て来ず、現在捜索中です。
[2023年3月17日 追記]
箱写真に「特急電車」が使われている個体を収蔵しました!発売年である1984年生産の個体です。
上が今回収蔵した「特急電車」が載っている初期版、下が既存の後期版です。初期版では商品名フォントで「L特急」と書かれていたものが、後期版では実際のロゴを使った「L特急」になっている事にご注目!さらに初期版では「ブロック橋脚」表記だったものが後期版では「ブロック橋げた」に改められているのも新発見になります。そして説明書の写真にも特急電車が印刷されていた事が判明しました。
違いは箱と説明書だけかと思いきや、よく見ると初期版のL特急の動力は金属メカボックス、後期版はプラ製メカボックスになっています。ブロック橋脚にも軽微な改良が加えられているようで、柱と床面の接合点にある三角形の補強点に凹みの有無が見られます。
古い製品の中では影の薄いセットですが、なかなか奥が深いですね。

基本NO.2セット ライト付ニュー新幹線(1985年)
1982年に発売された基本NO.2セットですが、1985年にデビューした100系がプラレールに登場したことを受けて、車両をニュー新幹線に変更され再発売されました。

基本NO.3セット ライト付ニュー新幹線(1985年)
今までL特急が入っていたNO.3セットの車両をニュー新幹線に置き換えたもの。 これ以前の後期箱NO.3セット(L特急)も当然存在していると思うのですが、見た事がありません。中期箱のまま85年まで生産されていたのでしょうか?

往復EF-66ブルートレインセット(1985年)
ブルートレインの牽引機を往復EF66に変えて洗車場まで付けたセット。1985年3月14日のダイヤ改正からEF66の旅客運用投入が始まっており、それを反映した上で客車区への入れ替えをイメージしたものと考えられますね。
EF66牽引のブルートレインは「あさかぜ」「さくら」「はやぶさ」「みずほ」「富士」の5列車があり、このうち「あさかぜ」は2003年に「S-39 ブルートレイン」として、「はやぶさ」は2012年にプラレール博限定品「ブルートレインはやぶさ」として製品化されています。「さくら」「みずほ」の製品化はなく、富士山型のヘッドマークが特徴的な「富士」はこのセットのみの存在です。もっとも「ブルートレーン」の牽引機を往復EF66に変えた結果の組み合わせとなり、当然ヘッドマークの表現はありません。
箱写真をよく見ると、往復EF66が両側に連結器を装備した初期型になっています。あり合わせのもので撮ったのでしょうか。

往復EF-66立体積み降ろしセット(1986年)
最後の往復プラレールのセット。特殊なレイアウトにする事で、積み込みから積み降ろしする一連の動作を手を触れる事なくずっと繰り返すように設計されています。
大曲線レールが意外な使われ方をしています。

レール・ロード踏切セット(1986年)
プラレールとプラロードが一緒に遊べるセット。線路と道路が交差する「レール・ロード踏切」がメインです。
このセットは1987年の新動力化後も車両のディティールアップを施した上で継続して生産されていましたが、同年中に絶版となりました。

未掲載品
未掲載品のリストです。カタログにはあるのに存在を確認出来ないセットが2つもあります。

東北上越新幹線・リレー号セット(1982年頃)
ライト付ひかり号高架セット(1982年頃)
入門セット D-51(1982年)
基本NO.3セット L特急(1982年)〈未確認〉
ニュー新幹線セット(1985年)〈未確認〉

どれか所有している方がいらっしゃいましたらご連絡お待ちしております。

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